華やかな話題が瞬時に生まれ、またすぐに消えていくエンターテインメントの世界で、張雅欽の歩みはどこか異質に見える。彼女は爆発的な一作で頂点に立ったわけではない。センセーショナルな出来事で注目を集めたわけでもない。それでも気がつけば、彼女の名前は古装ドラマの文脈で自然に語られる存在になっている。それは偶然ではなく、時間によって少しずつ確認されてきた軌跡である。
1996年4月28日、湖北省鄂州市に生まれた張雅欽は、幼い頃から舞踊を学び、後に北京市音楽舞踊学校で民族舞踊、古典舞踊、バレエを専門的に訓練した。長年の舞踊経験は、単なる特技ではなく、彼女の身体感覚そのものを形作った。姿勢、視線、間の取り方、静止の美しさ。こうした要素は後に時代劇において大きな強みとなる。
2016年、上海戯劇学院演技学科に入学。同年、ドラマ『Miss Granny(重返二十岁)』で本格デビューを果たす。続いて映画『Once Upon a Time(三生三世十里桃花)』に出演し、大作の制作現場を経験した。2017年には主演ドラマ『The Legend of Three Lives of Love(学院传说之三生三世桃花缘)』でヒロインを務め、徐々に中心的ポジションへと歩み始める。
転機となったのは2018年の『Legend of Fuyao(扶摇)』である。彼女が演じた雅蘭珠は、愛と成長を抱えた複層的な人物像であり、その演技は視聴者に強い印象を残した。古装との親和性が明確になった瞬間だった。
2019年の軍事ドラマ『King of Land Battle(陆战之王)』ではボーイッシュな役柄に挑戦し、従来の清楚なイメージを刷新。2020年には『The Chief’s Man(酋长的男人)』『Love in Between(少年游之一寸相思)』『Be With You(好想和你在一起)』と続けて出演し、ジャンルの幅を広げた。特に『Love in Between』では抑制された感情表現が高く評価され、演技面での成熟が感じられた。
2021年の『Ancient Love Poetry(千古玦尘)』、2022年のタイムループ恋愛劇『Love You One More...