ファンタジー戦略シミュレーションの定番シリーズ最新作『ブリガンダイン アビス』が、2026年8月27日に発売される。対応プラットフォームはNintendo Switch 2、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)と幅広く、本日より予約受付も開始された。
ターン制ストラテジーという“古典的ジャンル”を、現代のハード環境でどう再構築するかが本作の焦点だ。
HEX戦闘と部隊運用――“読み合い”重視の設計
本作の中核は、HEX(六角形)マップを採用したターン制バトルにある。プレイヤーは6勢力のいずれかを選び、100以上の騎士とモンスターを編成して大陸制覇を目指す。
HEXマップは、単なるマス目よりも移動や射程の概念が複雑になりやすく、「位置取り」が戦略の中心になるのが特徴だ。高低差も加わることで、地形を読む力がそのまま勝敗に直結する。
この設計は、リアルタイム性を重視する近年の戦略ゲームとは対照的で、じっくり考えるタイプのプレイヤーに向いている。

シンプルに見えて深い育成と支援システム
戦闘のもう一つの軸が、リーダーとモンスターの関係性だ。リーダーは部隊内の1体を「支援」でき、能力や特性を強化する。この仕組みによって、“少数精鋭”か“数の優位”かという戦術選択が常に問われる。
さらに、スキルは使い込むことで成長するため、プレイヤーの戦い方そのものがユニット性能に反映される設計になっている。これはランダム性よりも“積み重ね”を重視するバランスだ。
ただし、自由度が高い分、最適解にたどり着くまでの試行錯誤が長くなる可能性もある。
拠点運営と探索――戦略の“裏側”を支える要素
戦闘だけでなく、拠点の強化や探索も重要な要素として組み込まれている。資源を使って拠点を強化すれば全体バフが得られ、戦闘に出ないユニットを探索に回すことで効率的な成長も可能になる。
この構造は、単発バトル中心のSRPGと比べて“戦略の時間軸”を長くする効果がある。一方で、テンポ重視のプレイヤーにはやや冗長に感じられる部分でもある。
いわば、本作は「戦闘ゲーム」というより「戦争シミュレーター」に近い。
他タイトルとの比較:古典回帰か、それとも時代遅れか
近年の戦略ゲームは、リアルタイム要素やローグライク要素を取り入れることでテンポとリプレイ性を高める傾向がある。一方、『ブリガンダイン アビス』はあえてターン制とユニット育成の積み重ねに軸を置いている。
この方向性は、『ファイアーエムブレム』のような物語重視SRPGとも異なり、より“戦略そのもの”に寄った設計だ。
結果として、本作は新規層にはやや敷居が高く、既存の戦略ゲームファンには刺さりやすい作品になっている。
メリットと課題
メリットは、戦略の自由度とリプレイ性の高さだ。勢力選択やユニット育成、戦術の組み合わせにより、プレイごとに異なる展開が生まれる。
一方で課題は、学習コストの高さとテンポの遅さ。システムを理解するまでに時間がかかり、短時間での爽快感を求めるプレイヤーには不向きだ。
また、オンライン要素がないため、長期的なコミュニティ的盛り上がりには限界がある可能性もある。
結論:これは“時代に逆行した”のではなく、“選ばれた方向性”だ
『ブリガンダイン アビス』は、最新技術で進化した作品というより、“戦略ゲームの原点を磨き直した”タイトルだ。
スピードや派手さよりも、思考と選択の積み重ねを重視する設計は、現代のトレンドとはやや距離がある。しかしその分、他のタイトルでは得られない密度の高い戦略体験を提供する。
結論として、本作は万人向けではない。だが、じっくり考える戦略ゲームを求めるプレイヤーにとっては、2026年でもなお価値のある一作になる可能性が高い。