正直、このゲームはただのインディー作品だと思っていた。でもプレイして数時間で、その考えは完全に覆された。
Mochiko The Samuraiは、見た目のポップさとは裏腹に、かなり“重い”体験をプレイヤーに投げてくる。
しかもそれが、単なる高難易度ではなく「感情」にくるタイプのやつだった。

戦っていて楽しいのに、どこか苦しい戦闘体験
まず戦闘。これは完全にソウルライクの文脈にある。回避、スタミナ管理、敵の行動パターンの読み合い。
でも、いわゆる「ダクソ系」と違ってスピード感が少し速い。
個人的には、回避の無敵時間がややシビアで、雑にプレイすると普通にやられる。ただ、コンボがしっかり繋がるので「攻めのリズム」が気持ちいい。
このバランス、かなり絶妙。
特に印象的だったのはボス戦。
単純な強さというより「ストーリーとリンクした戦い」になっていて、ただ倒すだけじゃなく“倒したくない感情”が出てくる場面もあった。
ストーリーは予想以上に重く、そして優しい
物語は、いわゆる王道ファンタジーに見えてかなりダーク。
家族や大切な人が敵になる展開って、ありがちだけど、この作品はちゃんと“痛み”を描いてる。
モチコ自身の葛藤も丁寧に描かれていて、ただの強い主人公じゃない。
戦う理由が常に揺れているのがリアルで、プレイしていて感情移入しやすい。
あと、日本語フルボイスなのも大きい。
中村優花さんの演技は、想像以上に良かった。
可愛いだけじゃなく、芯の強さと迷いのバランスがしっかり出てる。
ビジュアルと音楽の“違和感”がむしろ武器
グラフィックはカラフルでアニメ寄り。でも世界観はダーク。
このギャップ、最初は違和感あるけど、プレイしていくとクセになる。
特に印象的だったのは背景。
シリアのアーティストが関わっている影響か、どこか異国感のあるデザインで、日本風だけど完全に日本じゃない独特の雰囲気。
音楽もかなり良い。
静かなシーンと戦闘時の盛り上がりの落差がしっかりしていて、プレイヤーの感情をうまくコントロールしてくる。
他のソウルライクと比べてどうか
難易度だけで言えば、『ダークソウル』ほど理不尽ではない。
でも“精神的な重さ”はむしろこっちの方が強いかもしれない。
『SEKIRO』のような純粋なアクション重視とも違うし、『ニーア』のような物語特化とも違う。
ちょうどその中間にいる感じ。
「遊びやすいのに、ちゃんと心に残る」タイプ。
総評|これは“誰かのために作られたゲーム”だと感じた
プレイ後に一番残ったのは、ゲームそのものよりも“作った人の想い”だった。
ただの娯楽じゃなくて、「誰かを救いたい」という気持ちがちゃんと伝わってくる。
もちろん粗さもある。
操作の細かい調整や、一部のバランスはまだ改善の余地あり。
でも、それを含めてもこの作品は印象に残る。
結論としては、「完璧じゃないけど、強く記憶に残るゲーム」。
こういう作品、最近かなり貴重だと思う。