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水曜日, 12月 10, 2025

『テイルズ オブ グレイセス』発売から16年。アスベルの成長物語と完成度の高い戦闘システムを振り返る

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小林 舞
小林 舞
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2009年(平成21年)12月10日――いまから16年前のこの日、Wii用ソフト『テイルズ オブ グレイセス』が発売された。シリーズの中でも特に「成長」をテーマに据えた物語と、完成度の高いアクション性を備えた戦闘システムが高い評価を受けた作品である。

本作は、主人公アスベルの少年時代と青年時代のふたつのパートで構成されている。当時のシリーズは『テイルズ オブ ジ アビス』(2005年)や『テイルズ オブ ヴェスペリア』(2008年)など、シナリオ面で挑戦的な作風が続いていた時期だった。一方、『グレイセス』は王道でありながら丁寧なキャラクター描写と安心感のあるストーリーラインが特徴となった。

物語の少年時代パートでは、アスベルが弟ヒューバートと出かけた裏山で、記憶を失った少女ソフィと出会うところから始まる。交流を深める中で強い絆が芽生えるが、ある事件をきっかけにソフィは姿を消してしまう。守れなかった後悔を抱えたアスベルは、強くなるために家を飛び出し、王都の騎士学校へ向かうことを決意する。

青年時代はその7年後。父の訃報を受けて故郷に戻ったアスベルは領主としての道を歩み始めるが、そこで再びソフィにそっくりな少女と出会うことになる。彼女をめぐる秘密は物語の大きな軸となり、明かされる真実は当時多くのプレイヤーに驚きを与えた。本作のキャッチコピー“守る強さを知るRPG”が示す通り、「守る」というテーマがアスベルの成長と密接にリンクしている。

2010年にはPlayStation 3向けに『テイルズ オブ グレイセス エフ』として移植され、後日談シナリオ“未来への系譜編”が追加された。ソフィが抱える悩みや、それを乗り越える姿は胸を打つ内容であり、ファンからも高い支持を得ている。

キャラクター面でも魅力は多い。花澤香菜さんが演じるソフィはもちろん、幼なじみのシェリア、ムードメーカーのパスカル、さらにヒューバートやリチャードといった男性キャラクターまで、それぞれが丁寧に描かれており、ストーリーが進むほどに仲間同士の関係性が深まっていく心地よさがあった。

戦闘システムはSS-LMBS(スタイルシフト・リニアモーションバトルシステム)を採用。ふたつのスタイルを切り替えて戦う“スタイルシフト”や、立体的な動きを実現する“アラウンドステップ”などにより、シンプルな操作性でありながら戦略性を兼ね備えた戦闘が楽しめた点も本作の大きな魅力だ。

発売から16年が経過した今でも、多くのファンに愛される『テイルズ オブ グレイセス』。キャラクターの成長、王道の物語、快適で奥深い戦闘システム――そのすべてが凝縮された一作として、シリーズの中でも確かな存在感を放ち続けている。

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