集英社ゲームズの新作 ANTHEM#9 は、一見するとシンプルなジェムマッチパズルですが、実際に触れるとその印象は大きく変わります。本作の本質は、反射神経と戦略思考を同時に要求される“判断力のゲーム”。一手の選択が次のコンボ、そして生死を分ける緊張感が、ローグライトらしい中毒性を生み出しています。
物語は多くを語りません。プレイヤーはエージェントとして、謎めいた存在や強敵と対峙しながら進んでいきます。明確なセリフや長いカットシーンではなく、ビジュアルとバトル体験そのものが世界観を語る設計は、想像力を刺激するタイプのストーリーテリングです。キャラクター「ルービット」の存在も、無機質になりがちなローグライトに感情のフックを与えています。

同ジャンル作品と比較すると、『Slay the Spire』がカード構築の思考性を重視しているのに対し、『ANTHEM#9』は“瞬間的な判断”と“パズル的快感”が前面に出ています。また、『Puzzle Quest』のようなマッチ系RPGよりも、コンボの爆発力とスピード感は明らかに上。考える楽しさと手を動かす爽快感のバランスが非常に秀逸です。
高難度のエンドコンテンツやEXTRAステージは、まさに腕試し。やり込み勢ほど燃える設計で、コンボダメージチャレンジのようなコミュニティ参加型イベントとも相性抜群です。個人開発とは思えない完成度の高さには、正直驚かされます。
総評として、『ANTHEM#9』は「静かなインディー発の挑戦作」でありながら、確かな実力を持った一本です。派手な物語演出より、ゲーム性そのもので語る作品を求める人にこそ刺さるタイトルだと感じました。ローグライト好き、パズル好きなら迷わず手に取ってほしい意欲作です。
ローンチトレーラーはこちら:
https://youtu.be/OJtI2SOjG3M