悪魔祓いをテーマにしたインディーホラー『FAITH: The Unholy Trinity』が、PlayStation 5向けダウンロード版として配信を開始した。ハピネットのインディーレーベル「Happinet Indie Collection」によって展開され、すでにNintendo Switch版で評価を得ていた本作が、より幅広いプレイヤー層に届く形になる。
一見すると、極めてシンプルなレトロゲームだ。
しかし実際には、その見た目とは裏腹に、現代のホラー作品とは異なる“心理的な恐怖”を強く打ち出している。
ピクセル表現が生む“余白の恐怖”
本作最大の特徴は、意図的に粗く作られたピクセルグラフィックだ。ファミコン時代を思わせるビジュアルは、情報量を極端に制限している。
だが、それが恐怖を弱めるどころか、むしろ増幅させている。
プレイヤーは見えない部分を想像で補うことになる。その“余白”が、不安や緊張を生み出す。これは『バイオハザード』のような高精細グラフィックとは正反対のアプローチだ。
そして、その違いこそが本作の価値でもある。

シンプル操作×重いテーマ:プレイヤーの判断が物語を変える
プレイヤーは若き司祭ジョンとして、悪魔憑きの事件に向き合う。ゲーム自体の操作はシンプルで、探索と選択が中心だ。
だが、その選択の重みは軽くない。
全3チャプターで構成され、12種類のマルチエンディングが用意されている本作では、行動や判断が直接ストーリーに影響する。これはいわゆる“分岐型ナラティブ”だが、本作の場合は信仰や狂気といったテーマと密接に結びついている。
単なる分岐ではなく、「何を信じるか」を問われる設計だ。
現代ホラーとの比較:恐怖の“方向性”が違う
近年のホラーゲームは、リアルな映像や音響でプレイヤーを驚かせる“ジャンプスケア”や没入感重視の作品が主流だ。たとえば『バイオハザード ヴィレッジ』のように、映像技術で恐怖を演出するタイプである。
一方、『FAITH』はその逆を行く。
グラフィックは最小限、演出も抑制的。その代わりに、宗教的モチーフや不穏な音、そしてストーリーの含意によってじわじわと不安を蓄積させる。
派手さはない。
だが、記憶に残るタイプの恐怖だ。
PS5版の価値:スペックより“アクセス性”
本作は高負荷なグラフィックや複雑な物理演算を必要としない。そのため、PS5の性能をフル活用するタイトルではない。
それでもPS5版が持つ意味は明確だ。
快適な操作環境、日本語対応、そして大画面でのプレイによる没入感。特に音響と静寂のバランスが重要な本作では、プレイ環境の質が体験に直結する。
技術的な進化ではなく、“体験の質”の向上だ。
【お知らせ】
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✝️『#FAITH: The Unholy Trinity』本日配信開始✝️
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メリットと注意点
メリット:
- 想像力を刺激する独特の恐怖演出
- マルチエンディングによる高いリプレイ性
- シンプル操作で誰でも入りやすい
注意点:
- グラフィックの粗さは人を選ぶ
- 派手な演出を求める人には物足りない
- テーマが重く、好みが分かれる
結論:これは“見るホラー”ではなく、“考えるホラー”だ
『FAITH: The Unholy Trinity』は、現代のホラーゲームとは異なる方向から恐怖にアプローチする作品だ。視覚的なリアルさではなく、想像力と解釈に委ねる設計は、むしろ今の時代に新鮮に映る。
万人向けではない。
しかし、静かに、深く、不安を積み重ねるタイプの体験を求めるなら、本作は強く刺さる。
これは“驚かせるゲーム”ではない。
“考えさせるゲーム”だ。