中国の人気時代劇ドラマ「一念江南」が、主演に予定されていた女優・虞書欣(ユー・シューシン)をめぐる一連の疑惑の影響で、制作スケジュールに大きな影を落としている。
当初、ドラマは9月11日にクランクイン予定だったが、虞書欣の降板報道や、それに伴うクランクインの延期、作品ランクの降格など、制作現場に動揺が広がっている。
今回の混乱のきっかけは、虞書欣の家族にまつわるスキャンダルと過去の言動だ。実業家である父親に国有資産の横領疑惑が浮上したことに加え、2016年に配信されたバラエティー番組で共演女優に対して言葉の暴力を加えたとされる過去の映像が掘り起こされ、ネット上で批判が殺到。これを受けて、10日には共演予定だった王安宇(ワン・アンユー)が出演を取りやめたと報じられた。
「一念江南」は、2023年末にヒットしたドラマ「一念関山」の姉妹編として注目を集めていた作品で、動画配信大手の愛奇芸(iQIYI)が「S+」級として推していた大作。その制作には多額の投資が注がれてきたが、現在では一部の出資者が投資撤回を検討しているとの情報も浮上している。
主演の代役候補としては、陳都霊(チェン・ドゥリン)、白鹿(バイ・ルー)、鞠婧禕(ジュー・ジンイー)、孟子義(モン・ズーイー)、宋祖児(ソン・ズーアル)、周也(ジョウ・イエ)、田曦薇(ティエン・シーウェイ)ら、同世代の実力派女優たちの名前が挙がっているものの、いずれもスケジュールの問題から出演が難航しているという。制作側は、場合によっては新人女優の起用も視野に入れざるを得ないほど、追い詰められた状況にあるようだ。
中国のSNSでは、「セットがすでに解体されたらしい」「虞書欣のために準備されてきた作品だからこそ代役が難しい」「火中の栗を拾う人はなかなかいない」「期待していたのに本当に残念」「疑惑が晴れない限り、今後のキャリアも厳しいだろう」など、さまざまな声が飛び交っている。
今後、虞書欣の疑惑がどう展開し、「一念江南」がどのような形で再出発を図るのか。注目が集まっている。